ピラティスの持つ魅力のなかで、大切にしたいのは、body, mind, spiritをトータルに高めるホリスティック性。しかし、開発者であるJoseph.H.Pilatesの著書や、さまざまな解説の中でこそ書かれてはいるものの、実践面で強調されることは少ないと感じています。
例えばヨガと比べるとわかりやすく、スポーティーなパワーヨガと同時に、伝統的な瞑想など精神性を大切にしたヨガも広く一般に知られていますが、ピラティスにはまだまだ後者のイメージはありません。
ピラティスにももっと、肉体的、身体的な物質を対象にするだけではないレッスンがあってもよいと感じています。
“呼吸”は、ホリスティックな感覚を感じやすく、特に大切にしています。
ただ吸う、吐くではない、自律神経を整えたり、気持ちを落ち着けたりする効果は、心理学にも取り入れられています。呼吸は精神と肉体の双方から人間の持てる力を引き出すきっかけになります。
また、身体を動かそう、動かしたいという欲求ではなく、動いている感覚や肉体そのものの重みや質感、触覚などに任せていくことで得られる、心と身体の統一感など、動きの形ではなく、質を伝えていくことも大事なことです。
どちらも自身の存在を受け止めることに繋がると考えています。
ピラテラピーでは、このような、ピラティスのエクササイズにある形や動きのメカニックな部分だけでは伝わりにくいことを、気功や整体、ヨーガ、アレクサンダー・テクニーク、フランクリン・メソッドそしてバレエ、ダンスなどで学んだ手法・手技を参考に、body, mind, spiritまるごとにアプローチしたいという思いから生まれました。
ベースはピラティスの哲学ですが、形や手法は、ピラティスのエクササイズとはまったく違うものもあります。解剖・生理学的な理論も無視しないように、オーダーのひとつひとつを組み立てます。